中小消費者金融の秘密

消費者金融の中には、CMなどで有名な大手以外にも、規模の小さい中小業者があります。
大手消費者金融のことは、消費者金融を利用したことがなくてもその社名くらい聞いたことがあるという人が多いのですが、中小規模の消費者金融については、消費者金融に関わりがない人は、まずその社名すら聞いたことがないというのがほとんどでしょう。
このように中小消費者金融は、極端に知名度が低く、情報も限られたものしかないので、謎に包まれている印象があります。
今回は、そんな中小規模の消費者金融についてレポートしてみました。

【業者数は激減】
日本貸金業協会の統計によると、平成29年3月末での貸金業者の数は、財務局登録業者が285件、都道府県登録業者が1,581件です。
平成11年3月末時点では、財務局登録業者が1,195件、都道府県登録業者が29,095件もあったので、それから比べれば、都道府県登録業者(中小規模の消費者金融)の数は、5%ほどまで激減していることになります。
ここまで、業者が淘汰された背景には、
①改正貸金業法による上限金利の引き下げ
②改正貸金業法による総量規制の導入
③過払い返還による経営の圧迫
④貸金業登録に必要とされる純資産額が5000万へ引き上げとなった
等の要因があります。
特に、過払返還については、全国規模で手広く営業していた業者や、歴史が長い業者ほど、ダメージが大きくなるので、その多くが廃業に追い込まれることとなりました。
現在、営業している中小消費者金融は、そのような厳しい逆風の中を生き抜いてきた業者か、もしくは、競合他社が減少したことに逆にビジネスチャンスを見出した、新興業者のいずれかです。

【安全性の確認は絶対必要】
中小規模の消費者金融の利用を検討するのであれば、その会社の安全性を確認することは絶対に必要です。
もちろん、中小業者であっても、その多くは、真っ当な営業活動をしています。しかし、インターネット上に広告を出している業者の中には、明らかに実体の怪しい、「ヤミ金」や「紹介屋」と思われる業者も見受けられます。
このような違法業者に申込みをしないようにするために、少なくとも以下のようなことは確認すべきでしょう。
①正規登録業者か確認
②貸金業登録番号を確認
③指定信用情報機関に加入しているか確認
また、出来れば、
④日本貸金業協会の会員業者を選ぶ
⑤所轄官庁に営業実態を確認
といった調査もしておいた方がより安全性を確保することが可能です。
また、「おまとめローン」をやたら強調している会社は、申込者を、提携先の弁護士、司法書士に誘導する「債務整理専門の紹介屋」の可能性が高いので注意して下さい。
詳しい調査方法は、当サイト記事『安全な消費者金融会社の見分け方』を参考にして下さい。

【最近のトレンドはリベンジ融資】
中小消費者金融の中には、「自己破産や債務整理をした方も積極融資」などのフレーズで、あえて積極的にこのような条件の申込みを集客している会社もあります。
これは、
①大手や他社が敬遠するので、借入れが増加しにくい
②自己破産や債務整理によって過去の負債が清算されているので融資しやすい
③既に他社で複数の借入れがある多重債務者に融資するよりもリスクが低い
などの理由からです。
特に、債務整理の中でも、「個人再生」は持ち家の人が多く、属性が良い人が多いので、中小消費者金融から人気があります。
現在、積極的に融資を行っている中小消費者のほとんどが、このような融資に対応しています。

【審査はアナログ】
銀行や大手消費者金融の審査は、「オートスコアリングシステム」と呼ばれる、コンピューターによる自動審査を導入しています。
これは、例えば、持ち家は5点、借家は2点などと、申込者の属性によって加点され、その綜合点によって、可決か否決か、また、限度額などが、算出されるようになっています。
このため、担当者による主観が介入しにくく、ムラのない審査が可能となります。
しかし、中小消費者金融の多くは、このようなシステムを導入している会社が少なく、どちらかと言えば、審査担当者の経験によるアナログな決裁が主流です。
そのため、審査に「ヒアリング」を導入している会社が多く、かなり細かい生活状況の確認まで行っている会社もあります。
大手よりもリスクの高い申込者へ融資を実施しているので、やむを得ないとも言えます。

【限度額は低め】
銀行や大手では、初回から50万円の与信がでることも多いのですが、中小消費者金融の初回融資額は、ほとんどが10万円~30万円前後の少額が主流です。
これは、大手ほど潤沢な資金がないことと、リスクヘッジという意味からでしょう。
新規での融資額は低めに抑えて、半年から1年間ほど取引実績を見て、信用の高い顧客のみ、限度額の増額という方法で融資枠を上げることが多いのが特徴です。

【サービス向上に力を入れている会社も】
中小消費者金融は、商品の金利自体は、実は、大手とほとんど変わりません。しかし、その利便性に関しては、大きく大手に劣ります。
例えば、
・専用ATMや提携ATMが全国にない会社が多い
・無利息サービスなどを実施していない会社が多い
・申込みをしてから融資までに時間がかかる
・メールやWEBを利用したお知らせなどのサービスに対応していない会社が多い
といったことがあげられます。
しかし、最近では、セブン銀行とのATM提携や、無利息サービスの導入を開始するなど、中小消費者金融の中でも、サービス向上に力を入れてきている会社も出てきており、徐々に健全な競争原理が働いてきているようです。

投稿者プロフィール

Masaru.Shibata
Masaru.Shibata金融専門記者
自らもかつて貸金業に従事。現在は金融情報専門のライターとして精力的に情報の収集及び当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。