銀行カードローンの過剰融資の報道について一言二言

【銀行カードローンのCM規制】
平成29年5月15日の朝日新聞に、また、銀行カードローンの過剰融資問題についての記事が記載されました。
今度は、「CM規制」についてです。
内容は概ね以下のようなものです。
①銀行カードローンのテレビCMの本数が消費者金融のテレビCMの本数を大きく上回っていたことが判明した。
②民間調査会社の調べでは、大手銀行(三菱東京UFJ、三井住友、新生(レイク))と消費者金融(アイフル、アコム、SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス、モビット))のCM放送本数は、銀行が2倍ほどになっていたとのこと。
③消費者金融は貸金業法で広告の自主規制が求められているが、現在、銀行は、消費者金融ほど規制は厳しくない。
④昨今の銀行の過剰貸付け問題を受け、大手銀行は、CM本数や時間の見直しを開始した。

ここ最近、このような銀行カードローンによる過剰融資を問題視するマスコミの報道が目立ちます。

【銀行も自主規制に動き出した】
いまのところ、業界では、消費者金融等の貸金業者のように法律で規制するのではなく、各銀行に自主規制を促してゆく方向となっています。
このようなことを受けて、多くの銀行に宣伝文句を改善するような動きが見られます。
例えば、
・「総量規制の対象外」という表現を改める
・「〇〇円まで収入証明不要」という表現を改める
・「専業主婦でも可能」という表現を改める
といったものです。
要するに“安易な借入れを助長する表現”と捉えられかねない文言を控えるようにしたということでしょう。
また、本来、当サイトは、キャッシングのメリット、デメリットを俯瞰的な視点でレポートすることを目指していますが、このような、銀行の広告規制の問題もあって、銀行カードローンについては、そのメリットを露骨に表現しづらいといった状況になったということ報告しておきます。

【規制の裏で消費者の利便性が犠牲になる】
また、これは、筆者の主観的な意見ですが、筆者は、キャッシングなどの消費者契約で重要なことは、「適合性原則」だと考えています。
適合性原則とは、顧客の知識、経験、財産の状況、目的などに照らして不適当な勧誘を行ってはならないという規制のことです。
つまり、相手の無知につけ込んで、不適当な契約をしてはいけないということです。
金融のプロである、業者に不利益な契約をされないように消費者を保護することは非常に重要なことだと思われます。
しかし、「総量規制の対象外」といった表現を規制したり、CM本数の自粛などをすることが、本当の意味での消費者保護につながるのかは、よくわかりません。
他の販売企業が、消費者の購買意欲をそそるような商品、サービス、レジャーのCMをジャンジャン行えば、結局は、その商品を購入したり、サービスやレジャーの提供を受けたりする目的で、キャッシングの申込みをする人は出てくるような気もします。

もちろん、ある程度の規制はやむを得ないと考えていますが、この問題において重要なことは、究極のところは、消費者側のリテラシーにあると思われます。
本来、どこまでの融資が過剰融資かは、人それぞれ、生活状況も違うので、異なっているはずです。
それを貸金業のように、総量規制として、一律の規制をかけることは、一定の効果はあるものの、本来はキャッシングの利便性を享受できた人が出来なくなるというデメリットも生んでいます。
つまりは、弱者保護ということのために、利便性を犠牲にしている人達もいるということです。
もし、銀行でも、消費者金融のように規制が進むことになれば、結局は、消費者自身が、本来受けられていた利便性を犠牲にしなければならないということになってくるとも思われます。

【借金癖は依存症?】
誤解を恐れずにあえて言えば、「借金」を繰り返すことは、ギャンブルやアルコールと同じく依存症だと思われます。
もしくは、ギャンブル、アルコール、買い物などの依存症が、余計な借金を招いていると言っても良いかもしれません。
依存症に対する手当をせずに、銀行や正規登録のキャッシング会社にやたら規制をかけても、借り手が正規業者から「ヤミ金」に代わるだけのことになってしまいかねません。
また、もし、借金の原因が、生活苦からであれば、「セーフティーネット」の問題でしょう。
貸し手側に規制を求めるだけでなく、そのような依存症に対する理解や、セーフティーネット(社会保障)が広がってゆくことも大切のような気がします。

投稿者プロフィール

Seiya Miyake
Seiya Miyake編集者・ライター
主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。