キャッシング利用者の男女比率は、業界の統計によると、男性約7割、女性約3割で、女性の利用者が圧倒的に少なくなっています。女性の社会進出が進み、人口全体の比率も、むしろ女性の方が多くなってきている昨今、この数値は、業界としては課題の残る数値ではないでしょうか。
キャッシング会社の中には、女性専用商品として「レディースキャッシング」を設けている会社も多く、女性客の獲得に力を入れてきています。しかし、その商品の実態は、「受付を女性スタッフが行う」ということだけで、他のサービス内容は、通常商品と何ら変わりないものが多く、女性専用というほどのメリットが感じられる商品ではないのが、現実です。
このように、「レディースキャッシング」がいまひとつなのは、業界の努力不足もあるかもしれませんが、「総量規制」の基になる「年収」において、「専業主婦」の家事負担相当分の対価を一切認めていないことが大きな原因ではないでしょうか。
本来、夫が稼いだ給料に対して、「専業主婦」である妻の権利は主張できるはずです。
家庭のスタイルも、最近では多様化してきましたが、日本では、まだまだ家計管理を妻が行っている家庭は多く、自分自身の収入は少なくても、実質的な支払い能力を有している女性は多く存在します。
かたや、クレジット、ショッピング、などに関する法律の割賦販売法では、貸金業法の「総量規制調査」と同じような「支払可能見込額調査」を設けています。
「支払可能見込額調査」に関しての詳しい説明は省略しますが、この調査の基となる「生活維持費」の算出では、年収103万円以下の特定配偶者に対する特例や、預貯金額等の合算も可能とされており、「専業主婦」の利益を損なわないような工夫がされたものとなっています。
もちろん、「総量規制」のような一律の規制が導入された背景には、業界の過剰貸付けがあるので、業界の責任も大きいことは間違いありません。
また、カードを使ってショッピングをするということは、社会的に認知されていますが、キャッシングには、まだまだ、ギャンブルと同質のネガティブなイメージがあります。
キャッシングにおいて女性客のニーズは高く、潜在的な市場は広いものがあります。しかし、「専業主婦」への融資は、現在、「総量規制」の適用がない、一部の銀行カードローンしかできません。
業界もいつまでも受け身ではなく、専業主婦をはじめ女性客への融資に関してきちんとしたルールを策定し、行政に働きかけてゆくといったことも、今後は必要ではないでしょうか。
投稿者プロフィール
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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