アコム、プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)、アイフルの決算が発表されました。
2015年3月末の貸付残高(消費者金融がユーザーにお金を貸し出している総額)は、昨年唯一残高が減少していたアイフルを含め3社とも増加しました。
消費者金融会社はお金を貸さないことには金利収入がありませんので、まずは業績を上向けるためには貸付残高の増加が大切です。その上でお金を返してもらわないことには収入になりませんので、ちゃんと返してもらえるユーザーに貸し出すことが大切になります。
3社そろっての貸付残高の増加は、昨年に続き業界として回復基調が続いていると言えますが、中でもアイフルの復調は、業界全体としての好転を裏付けるものと言えます。
またアコム、プロミスともに貸付残高の増加に加え保証事業残高がアコムは前年比14.4%、プロミスは同21.6%増しと大幅に増加しています。保証事業とは他の金融機関のローン商品の保証会社になることです。現在ユーザー獲得は、引き続き消費者金融業界は銀行のカードローン商品などと厳しいシェア争いを繰り広げています。そのような中各企業は保証事業によって業績を伸ばしています。アコムが無担保の貸付残高が7471億円に対して保証事業残高が7765億円、プロミスは7143億円に対して9153億円となっています。
一方銀行傘下のアコム・プロミスと異なり唯一独立系の道を進むアイフルは厳しいと言えます。アイフルの貸付残高は2645億円に対して、保証事業残高は781億円と保証事業のウェイトはかなり低くなります。しかも3社の中で唯一前年を下回っています。
アコム・プロミスが保証事業を伸ばす中、アイフルはこの保証事業での成長が鈍くやはり従来の商品の強化が最優先にに求められます。その為アイフルはインターネット関連の広告も大幅に増やしています。そもそもアイフルは今まで事業再生ADRによる事業再建途中だったため、あまり積極的な投資をしづらかった部分がありましたが、2014年7月に事業再生計画が終了し、残存債務についても引き続き金融機関からの支援が受けられることになったため、反転攻勢に打って出たと言えます。
アイフルは今回の決済で好転の兆しが見えていますが、とまではいきませんでしたが、さらなるユーザー獲得の為積極的な営業姿勢を見せています。営業費用の増加がそれを裏付けていますが、無人店舗の設置も3社の中でアイフルだけが前年比146台と大幅に増加しています。(アコム22台、プロミス7台。)
しかし依然として3社の足を引っ張るのが利息返還コスト、いわゆる過払い金の返還コストです。
利息返還請求の数は相変わらず高止まりしており、減る気配がありません。
見方を変えればまだまだ利息の返還を受けることができるユーザーが多くいるということでしょうか。
テレビや広告では相変わらず司法書士事務所の宣伝を頻繁に見かけます。
最近では一部の大手弁護士事務所まで利息返還請求に熱心になっています。
しかしこれらの事務所がサービス熱心になるということは、結局消費者金融に内部留保されているお金が、司法書士事務所や弁護士事務所に移管されている様相が感じられます。ユーザーにどれだけ還元されているのか微妙な部分もありますので、ユーザーは良く考えてサービスを利用する必要があります。
投稿者プロフィール
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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