平成28年8月31日の日本経済新聞の記事によると、銀行による消費者ローンの融資残高が2016年3月末、ついに消費者金融やカード会社など貸金業者の残高を上回ったとのことです。
貸金業者は改正貸金業法による総量規制などの導入によって融資残高を伸ばしにくい環境にありますが、銀行はマイナス金利下でも一定の利ザヤが確保できるとみて消費者ローンに力を入れています。
日銀と日本貸金業協会の統計によると平成28年3月末時点で下記のようになっています。
・銀行による消費者向け貸付残高・・・5兆1,227億円(前年度比11%増)
・貸金業者による消費者向け貸付残高・・・5兆1,150億円(前年実績比1%増)
かつて双方の差は平成20年に約11兆円、貸金業者が上回っていましたが、その後、貸金業者の残高が激減し今回ついに銀行が逆転しました。
銀行は総量規制にとらわれず、相対的に信用力の高い顧客にローンを貸出しすることが可能です。日銀のマイナス金利政策で全体の利ザヤが縮小する中、年利1~14%程度が見込める消費者ローンは数少ない成長分野として位置づけられています。
銀行ローンの競争も激しく、三井住友銀行はSMBCコンシューマーと合計で平成28年度末のカードローン残高を平成25年度比2割以上増やす計画とのことです。
また、三菱UFJ銀行は7月に主力カードローンである「バンクイック」の下限金利を4.6%(上限金利14.6%)から1.8%(上限金利14.6%)まで引き下げるなど、各銀行、サービス向上や金利引き下げの動きが活発になってきています。
今後も銀行と貸金業者の貸出残高の差はますます広がってゆく流れにあるとみられ、銀行が最大の貸し手になってくると思われます。
成長分野である銀行カードローンからはますます目がはなせません。
投稿者プロフィール
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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