日本貸金業協会は、2015年3月27日に「貸金業が担う資金供給機能等の現状と動向に関する調査」の2014年度調査結果を公表しました。
以下に主な調査結果を抜粋しました。
●登録貸金業者数の推移
登録貸金業者数は平成18年3月から平成 26年3月までの 8 年間に 14,236 業者から 2,113 業 者へと、85.2%減少。
●希望金額借入れ状況
貸金業法の完全施行後に貸金業者に対して借入れを申込んだ個人のうち、
・希望通りの金額を借入れできた・・・68.7%
・希望通りの金額を借入れ出来なかった・・・31.3%
●希望額の借入れが出来なかった場合の借入残高の有無
・借入残高有で借入れ出来なかった・・・32.2%
・借入残高無で借入れ出来なかった・・・27.6%
●希望額の借入れが出来なかった際の行動結果(複数回答可)
目立つところを抜粋
・生活費を抑制した・・・52.1%
・趣味/娯楽などの費用を抑制・・・45.7%
・家族、親せきに相談・・・16.5%
・ギャンブルを抑制・・・12.7%
・ヤミ金融を利用・・・3.7%
●借入れできなくなったことによる影響
・日常生活に支障が出た・・・68.0%
・子供の教育費に関して支障が出た・・・13.1%
・冠婚葬祭等への参加に支障が出た・・・12.0%
●借入れできなくて日常生活に支障が出た方の年収別
・年収300万円未満・・・73.3%
・年収300万円以上600万円未満・・・70.8%
・年収600万円以上・・・52.1%
これらの調査結果から、改正貸金業法施行後は希望金額を借入れできる方はごく少数の方に限られているようです。
そして低収入の方が借入れにくく、より生活に支障がでる傾向です。
法改正の影響はやはり低所得者層が一番受けているようです。
その反面、貸付残高が減少を続けているのに資金需要を満たせない方は増加せずに減少していることからも、総量規制は多重債務者対策として一定の効果をあげたと評価できます。
しかし、貸付残高の減少は、貸金業者の廃業や法的整理、過払金請求に伴う元本相殺に起因している部分もあります。
資金需要者に流れる資金が単純に先細りしたのではなく、債務の軽減、過払い返還などで、資金需要が減退したという側面もあります。
今回の調査からは、過払い返還などの負担が資金供給の減退に伴っているかどうかを検証することは出来ませんが、今後、そのような調査が行われることにも期待したいところです。
投稿者プロフィール
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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